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こうした中途採用者のUターン者の採用方針を企業の所在地(市)別にみると、所在地にかかわらず「特別扱いなし」とする割合が多い。しかしながら、Uターン志向(「Uターン者の採用に積極的」+「Uターン者の採用に努力」)の意見をみると、周辺都市を除いて最も多くなっている。
つぎに業種別でも、大半の業種では「特別扱いなし」としているが、土木・建築では「採用に努力」を、対事業所サービスは「採用に積極的」を重視している企業がみられる。しかしながら、Uターン志向の意見をみると、非製造業が製造業よりも高いものの、業種ごとに詳しくみると、金融等が最も低い一方で、土木・建築等では半数近くに達しているなど、業種間で意見が異なっているのがわかる。
そして規模別にみると、規模が大きい企業では「特別扱いなし」と「特に方針なし」が、規模の小さい企業では「採用に努力」の割合が多くなっている。また、Uターン志向の意見も規模の小さい企業でその割合が多くなっており、規模ごとで異なる結果となった。
最後に売上高伸び率別では売上高の伸び率が高い企業ほど「採用に積極的」の割合が、伸び率の低い企業ほど「特別扱いなし」の割合が多くなっている。

 

(3) Uターン者の採用方針に関する、新規採用者と中途採用者との比較
企業のUターン者の採用方針について、新規採用者はおおむね「特別扱いなし」、中途採用者は「Uターン者志向」という図式になっている。
こうした傾向を個別にみると異なっており、新規採用者では、農村地域、規模の小さい企業で地元志向が見られる一方、県内の中小都市、卸・商社小売業ではUターン者の採用に積極的である。なお、売上高伸び率がかなり減少している企業では半数近くに達しており、企業経営が悪化している企業では、Uターン者の採用方針にまで関心が及ばないことを物語っている。
中途採用者については、企業は即戦力としての期待が大きく、また大都市圏で経験した高い能力や最新の技術を高く評価していることから、Uターン者の採用に積極的な姿勢を示しているものとうかがえる。こうした傾向は、土木・建設等、対事業所サービス、さらには売上高が大きく伸びている企業で強い。しかしながら他方で、5社に1社が「特に方針なし」としている点に留意する必要がある。

 

2. 中途採用で求める人材の仕事分野

 

(1) 全職種について

 

?@中途採用者
企業が中途採用で求めている人材の仕事分野は、図表3-21に示したように「外交・営業職」(35.9%)、「技術・研究職」(35.4%)の営業・技術系の2分野を中心としている。次いで「生産・技能職」(23.8%)、「専門・資格職」(19.2%)、「経営・管理職」(19.1%)がこれに続いており、専門性の高い分野が求められていることがわかる。
営業・技術系中心の傾向は所在地(市)別でも同様にみられるが、その構成が異なっている。まず都市部(県庁所在地、県内第2・第3の大都市)では「外交・営業職」「技術・研究職」中

 

 

 

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